吉川幸次郎

吉川幸次郎「古典について」(講談社学術文庫)から抜き書き「いわゆる日韓併合は、幸徳事件とおなじく一九一○年の世事であるが、そのときはすでに小学校にはいっていた。校長先生から、こんどのことは両国の合意によるもので、日本のおしつけでない。そこのところをまちがえないようにと、訓話があった。軽微な疑問、あるいは反撥が、こども心にあった。」 少なくとも氏の周辺では、押し付けだと感じていた、わかっていたし、一般にもそう思われていたから、校長もこんなこと言わなくちゃいけなかったと思われる。