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生活保障

宮本太郎氏「生活保障」(岩波書店 2009年)に日本の生活保障の特徴が5つあげられている。


社会保障への支出は小さかった。
社会保障の支出が小さかったにもかかわらず雇用の実質的な保障によって格差が相対的に抑制されていた。
現役世代の生活保障が雇用と家族に委ねられたゆえに相対的に小さな社会保障支出が会社に頼れなくなり家族の力も弱まる人生後半にシフトした。
家計補完型で低賃金の非正規労働市場が存在している。
企業や業界ごとの雇用保障に職域ごとに区切られた年金や健康保険が組み合わされて「仕切られた生活保障」ともいうべきかたちができあがっていた。


こうした生活保障の仕組みは、男性稼ぎ主の雇用と安定した家族、性別役割に依存しており、これは日本にかぎらず、欧米出自の福祉国家の仕組みそのものがそうであったが、日本では特に強く依存していた。そのことが、グローバル化と脱工業化の進展する中で男性稼ぎ主の雇用と安定した家族、性別役割が変化したことに日本がとくに弱かった理由であり、日本の生活保障が解体していった理由であるとまとめられている。



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