無法街の素浪人

「歴史の話」(朝日新聞社 1994年)の中の鶴見俊輔氏の発言。「日本の学術語は明治はじめにつくられたのですが、たとえば日本語で「市民社会」といった言葉には、重層性がないです。「階級」という言葉にも重層性がないです。切っても一つの意味しかないんです。ところが、昔からの言葉を見れば重層性があるでしょう。この違いが大変重大なんですね。その違いを自覚しないところが日本の人文系の学者全体にかかわる大変な災難だと思いますね。(中略)日本の場合は、西周(明治期の哲学者)が早いんだけど、ものすごい勢いで翻訳した日本語をつくりますね。一種の早業です。意味の重層性なんか捨てる。そのように日本の学術語の場合、十九世紀半ばの学問を一つの完成体として見て、即席でこれを日本語に移したものですから、日本語に移された「次元」その他の学術語は、意味の重層性を持っていない。平坦な一つの意味しかない。」


堀ちえみと多摩プラーザで握手したことがある。


「無法街の素浪人」での三船の役名は最後まで「ミスターの旦那」で、最終回の最後のナレーションは「ミスターの旦那とは誰だったのか?」であった。